外国人労働者が増えている日本の現状・問題とは?その実態に迫る。

少子高齢化による人手不足の現状から多種多様な人材の活用が謳われている今、日本では外国人労働者が増えています。日本における在留外国人数や外国人労働者数はどのぐらいなのか?また、どの国からの入国が多く、どんな企業が活用しているのかについて簡単に説明し、その上での問題点に迫ります。

そもそも外国人労働者とは?

外国人労働者とは?と聞かれてどのような人を思い浮かべるでしょうか?出稼ぎに来ている人。技能実習で働きつつも学びに来ている人が特に身近に感じるのではないでしょうか?
正直私は「技能実習生」を思い浮かべていました。
実際には外国人労働者とは日本で働く外国人すべてを指します。
大きく分けると以下のようになっています。

  1. 在留資格を持っている人
  2. 永住者や定住者、日本人の配偶者がいる人がこれにあたります。
    在留資格を持っているので、職種に縛られることなく様々な分野で職に就くことができます。

  3. 就労目的で在留している人
  4. 専門的・技術的分野で在留資格を持っている人です。
    業種・職種に制限があります。

  5. 特定活動で在留している人
  6. 居酒屋のトイレなどでポスターを見た方も少ないと思いますが、ワーホリ(ワーキングホリデー)で滞在している人やEPAに基づく外国人看護師や介護福祉士候補者、外国人建設就労者、愛黒人造船就労者などです。

  7. 技能実習
  8. 最近よく耳にする方が多いと思います。開発途上国への国際協力を目的としてできた制度で、決められたカリキュラムをもとに技能を学びつつ、就労します。業種・職種が限られており、最長5年滞在ができます。企業単独型の受け入れと管理団体を通しての受け入れがありますがほとんどが管理団体の仲介により行われています。

  9. 資格外活動
  10. 留学生のアルバイトなどがこれにあたります。
    1週28時間以内などの規定があり、本来の在留資格の活動を妨げない程度で労働することができます。

つまり外国人労働者とは上記①~⑤の分類に分けられ、国内で働く外国人全般のことを指します。

引用:法務省『専門的・技術的分野の外国人材受入れについて』P5 外国人労働者数の内訳

日本における外国人労働者の受け入れ状況について

冒頭でもお伝えしましたが日本では少子高齢化に伴い、人手不足が加速しています。
それもあり、外国人労働者の受け入れはほぼ右肩上がりで増加傾向にあり、令和元年12月末には293万3,137人と過去最高値となっています。

また、働き方改革法案が施行され、ダイバーシティ推進にも注目され、国籍などにとらわれず、企業に勤める方が増えています。
※ダイバーシティ…性別や国籍、宗教、年齢など多様性持つ取り組みのこと。

中でも外国人労働者を多く採用しているのは地方の中小企業が多いと言われています。
少子高齢化は全国的に言えることですが、地方の深刻化は根深く、人材不足と従業員の高齢化が特に問題視されているからです。

建設業、製造業、農業や漁業などは地方での生産が主流ですが、近年は若い世代の参入が少なく、高齢化が進んでいます。しかしご想像の通り、これらは肉体労働も多い職種です。高齢者の負担が大きく必然的に技能実習生を受け入れることで人手不足解消の手段として広まっているのです。

現在、コロナウィルス(COVID-19)の流行が世界的に広まり、パンデミック状態と言われています。これによって海外からの入国規制等から令和2年の外国人労働者流入は少し減少するのではないでしょうか?

しかし、もちろん日本の人手不足が解消したわけではなく、今後も外国人労働者は増え続け、日本の企業の成長に欠かせない存在となることでしょう。

在留外国人数の推移

※各年末現在。平成23年までは外国人登録者数。平成24年以降は在留外国人数。
出典:出入国在留管理庁『新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組』

在留外国人数と国籍・地域別の滞在状況について

在留外国人数は永住者、技能実習が多いようです。中でも国籍別で表すと中国、韓国、ベトナムの順となっておりアジアからの来日が多いと言われています。

中国、韓国については近隣国であり、ビジネスにおいて中国支社・韓国支社がある、工場がある…など国外拠点として設置が多いこともその理由だと思います。
私の知人にベトナム人の技能実習生受け入れ(仲介業)をしている人がいます。
以前までは中国が多かったものの現在は技能実習に関してはベトナム人の方が多くなっているそうです。

また、日本は中国や韓国に出張・転勤があるように向こうからの入国も多いと言えるでしょう。日本は食料自給率も低く、もちろん石油などの燃料も取ることができません。
生活をしていく上でグローバル化は切っても切れない縁であり、必要不可欠なのです。
このような背景からも外国人労働者が増え続ける理由となっていることでしょう。

さらに、 法務省のHPに都道府県別の外国人労働者数の記載があるため
グラフに表してみました。結果は以下の通りです。

国内で一番多いのは北海道、次に青森、岩手と東北地方が続きます。
北海道の広大な土地と言う点もありますが、東北地方は農業や漁業、酪農が盛んです。
また、過疎化が進み、若い人材が少ないことからも外国人労働者の受け入れが多いのでしょう。地方では高齢化が特に進んでいることから「介護業」での外国人労働者の受け入れも多いです。

また、男女比はほぼ同じ比率で若干数女性が上回る結果となりました。(令和元年12月末時点)

参考:法務省在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表

外国人労働者の働き口は?

では、外国人労働者は国内でどのような業務に就いているのでしょうか?
国内での就労には冒頭でも説明した通り在留資格を持っている・就労に伴う規定をクリアしているなど基準があります。
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《身分・地位に基づく在留資格を持つ人》…活動制限なし

最初に説明した通り、永住者、日本人の配偶者を持つ人、永住者の配偶者を持つ人、定住者(日系3世、外国人配偶者の連れ子など)は活動制限なく、様々な分野で就労することができます。

《就労が認められる在留資格(活動制限あり)》

外交…外国政府の大使、公使など。及びその家族
公用…外国政府などの公務に従事する者。及びその家族
教授…大学教授など
芸術…作曲家、画家、作家など
宗教…外国の宗教団体から派遣される宣教師など
報道…外国の報道機関の記者、カメラマンなど
高度専門職…ポイント制による高度人材
経営・管理…企業等の経営者、管理者など
法律・会計業務…弁護士、公認会計士など
医療…医師、歯科医師、看護師など
研究…政府関係機関や企業などの研究者など
教育…中・高等学校の語学教師など
技術・人文知識・国際業務…機械工学などの技術者など、通訳、デザイナー、語学講師など
企業内転勤…外国の事務所からの転勤者
介護…介護福祉士
興行…俳優、歌手、プロスポーツ選手など
技能…外国料理の調理師、スポーツ指導者など
特定技能…特定産業分野(※)の各業務従事者
技能実習…技能実習生

※…介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関係産業、建設、造船、舶用興行、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業(平成30年12月25日閣議決定)

《就労の可否は指定される活動によるもの》

在留資格が特定活動とされるワーキングホリデーや外交官などの家事使用人は指定される活動のみ許可されています。

《就労が認められない在留資格》
※資格外活動許可を受けた場合は一定内で就労可能

文化活動…日本文化の研究者など
短期滞在…観光客、会議参加者など
留学…大学、専門学校、日本語学校などの学生
研修…研修生
家族滞在…就労資格などで在留する外国人の配偶者、子

一方で、上記は基本的に就労は認められていません。※一部除外あり
参考:出入国在留管理庁『新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組』

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職種は建築業・製造業が大半で工場などで働く人が多いようです。
四年制大学を卒業している…など高度人材と呼ばれる人であれば職種の幅は広がりますが、労働の許されている職種は限られている人がほとんどです。

何故外国人労働者が増えているのか

何故、外国人労働者が増えているのかについては「少子高齢化」の背景をお伝えしました。
また、これに加え、海外進出を目的としたり、グローバル化への期待もあります。
しかし、言葉や文化の違う外国人が増えることで様々な問題点も増えています。

外国人労働者が抱える問題とは

多くの人がビザを取得し、国内に滞在をしています。
しかし、外国人労働者が国内で働くには莫大な量の書類が必要であり、受け入れ先である
雇用主の協力のもとに成り立つと言っても過言ではありません。

しかし、これらの境遇を悪用し、ビザの取得を条件に低賃金で働かせる会社や、言葉や文化の違いから差別的な扱いをする人がいるのも事実です。

また、外国人労働者が増えることで外国人による犯罪も増えています。
これらを防ぐためには彼らの境遇や言葉・文化を理解し、雇用主である日本企業の皆様が
しっかりと環境の配慮や心のケアをすることが大事だと考えます。

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まとめ

少子高齢化の人手不足から外国人労働者が年々増えています。外国人労働者とはいくつかに分類され、特定の権利を持つ人以外は国が定めた規定のもと、特定の業種・職種で働くことができます。外国人労働者が増え続けることでいくつかの問題点も増えています。これから外国人労働者の受け入れを検討されている方はしっかりと情報を確認し、一緒に働く仲間として受け入れることが必要です。