日本は先進国の中の一つですが、古い文化がビジネス上にも数多く残っています。伝統文化を重んじる日本だからこその風習なのか?しかし今回のテーマである「ペーパーレス」に関してはまだまだ根強くどの企業も感じている課題だと思います。今回はペーパーレスの実現に対する事例を参考に業務効率化につながる打ち手となれば幸いです。
ペーパーレスとは
紙を「なくす」「減らす」ことをペーパーレスと呼びます。ペーパレスなどと呼ばれる場合もあり、ビジネスにおけるペーパーレスとは書類をデータ化(電子化)することを一般的に呼んでいます。
しかし、一概に紙をなくすことが良いわけではなく、必要に応じて「なくす」「減らす」場合が多く、紙との向き合い方についてしっかり吟味する必要があります。
どんなシーンで紙書類を使用するのか
では、私たちのビジネスの中で「紙」を使う場面はどのような部分でしょうか?
例えばこんなシーンがあると思います。
- 役所・銀行・郵便局など
申請書類など紙の書類に手書きで個人情報や申請内容を書き込む。窓口でその書類を渡し担当者は書類の内容をもとにシステムに入力し、顧客データを参照したり、申請内容を受け付ける。 - 承認申請
稟議書など紙の書類に回覧先を記載し、各部署に順番に回し、承認の場合は捺印してもらう。承認ルート次第では大幅に時間がかかる場合や紛失する場合がある。 - 報告書
作業報告書や巡回報告書などExcelで作成した書類を印刷し、現場で紙に記入する。
会社に戻りシステムに入力し直し、原本はファイルにまとめる。 - 見積書・発注書・注文書・請求書など
商品の受発注における契約書類。
やりとりは手書きで手渡しの場合もあれば、FAXの場合、メールや郵送など多岐にわたる。
その他にもリフォームや工事を行い、作業が終わった際に複写式の紙の書類に手書きで内容が記載してあり、印鑑またはサインをしてもらう。控えをもらう…なんて工程も身近ではないでしょうか?
ペーパーレス(データ化)のメリットやデメリットとは
ではペーパーレスを実現することによって起こる「メリット」や「デメリット」について考えてみましょう。
メリット
- 紙の保管場所が必要ない(キャビネットや書庫など)
- 紙代やインク代など印刷費用が削減できる
- オフィスが整理整頓される
- 検索が簡単になる
- データを活用することができる
- 資料が汚れる・破損する心配がない
- セキュリティ面でも紙より安心(重要書類の紛失など)
- エコである
デメリット
- 紙であれば好きな場所にメモを書き込んだり、マーカーを引くことができる
- 機器や設定によっては画像のサイズなど資料が読みにくい
- ITが苦手な人はなかなか使用できない
ペーパーレスを成功させた事例とは
ではペーパーレスを実現した事例を見てみましょう。
- 会員登録
例えば、ショッピングの際に「お得な情報を連絡するのでここにお名前と住所を記載してください」と紙に個人情報を記載したことはありませんか?最近ではタブレットを渡され、入力するシーンが増えたのではないでしょうか?紙に記載してもらっていた場合、メールを送るには宛先に入力する手間があり、郵送物を送るには住所を打ち直したり手書きをしていましたが、データ化することによってそれらの手間が大幅に削減できるようになっています。
また、個人情報を紙で持っておくことは大変危険です。これらをデータで保管することができるようになりました。 - 承認システム(ワークフローシステム)
先ほど承認申請について触れましたが申請・承認・決済の一連の流れ(ワークフロー)を電子化することでペーパーレスを実現している企業も増えているのではないでしょうか?
紙を使用せず、稟議書や経費精算書などありとあらゆる業務における申請書類を電子化し、決裁者など承認に関係する人が「承認ボタン」を押すことで捺印と同じ役割をしています。つまり、紙を回さずにすべてのワークフローをシステム上で行います。 - 電子サイン
とは言え、お客様のサインが必須な場合もあると思います。
最近では手書きのサインをスマートフォンやタブレットなどの電子機器に直接行うシーンも増えたのではないでしょうか?例えばクレジットカードのサインや宅配便受け取りのサインです。このように電子サインを導入している企業もあります。 - 報告書類や契約書類
営業報告などは営業支援システム(SFA)などのITツールに入力することで日々の日報のみならず、業績の可視化や行動の分析ができるようになりました。
ブルーワーカーは各業界ごとに特化した作業報告書作成アプリやシステムが増え、スマートフォンやタブレットで操作ができるようになりました。株式会社ビズオーシャンが提供するSPALO(スパロ)はスマートフォンやタブレットで報告書類を作成できるサービスを展開しています。
SPALOのホームページはこちらその他、見積書などの契約書類も電子化が進み、PCで簡単に作成できるサービスや
スマートフォンやタブレットで操作ができるものも増えています。まとめ
ペーパーレスに取り組むための参考になったでしょうか?データで資料を送るよりも紙で残した方が目につきやすい…など「紙」を敢えて使うことももちろんありますが、適材適所でペーパーレスを実現し、固定費削減や実質的に業務効率UPに繋がれば幸いです。